第89話

「くるみ、くるみ、ああ、最高だ、俺を感じろ」


山城とくるみは一晩中身体を重ねた。


ベッドの周りにはいくつもの避妊具が散らばって、激しさを物語っていた。


山城はギュッとくるみを抱きしめた。


「くるみ、俺は山城組を破門された身だ、今は若頭でもなんでもない、しかも二人の足に鉛玉を喰らわせた、俺は山城組に殺される」


「そんな……」


「お前は我妻の元に行って面倒見てもらえ」


「いやです、山城さんのそばにいたいです」


「ばかやろう、俺がやったことは破門だけでは済まされないんだ、俺と一緒にいたら、お前まで殺される」


くるみは泣きじゃくっていた。


わかっている、山城と一緒にいると、足手纏いになることを……

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