第十章 山城とくるみの再会

第80話

我妻は苛立っていた。


山城の監禁場所も、ひとみの行方もわからず、悪戯に時は流れた。


圭子はいつものように、裕太郎の元に足を運んだ。


山城組長の怒りはおさまらない。


裕太郎が牢獄に監禁されてから、半年が過ぎ去ろうとしていた。


人間の精神が壊れるに値する時間はとうに過ぎていた。


裕太郎は暴れ始めた。


「おい、ここから出せ、殺されてえのか」


圭子は危険を感じ、すぐに裕太郎の元から立ち去った。


裕太郎と圭子は婚姻届を出していない。


徐々に壊れていく裕太郎に愛情を感じなくなったのだ。


「ここから出せと言ってるだろう」

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