第79話

「ダメよ、私の身体がうずいたら、抱いてもらうためにここにくるわ、

山城組長の怒りは収まっていないのよ、私だって、やっとの思いで山城組長から、この場所を聞き出したのよ、裕太郎を出してはダメだって言われたわ」


「くそっ」


その頃、くるみはホテルを転々としていた。


実はホテルのテーブルにおいてあった山城からのメモのほかに封筒があった。


『くるみ、これはお前の命に関わる話だ、俺は山城組組長の実の息子ではない、

組長の命令は絶対だ、しかし、俺は本浜圭子とは結婚はしたくない、俺はお前を愛している、借金返済のために俺の女になれと言ったが、俺はお前以外とは結婚は考えていない、だから、圭子がお前の命を狙うだろう、もし、圭子が接近してきたら、ホテルを返ろ、そして、キャバクラも辞めるんだ、当面の資金はコインロッカーに隠しておく、コインロッカーも頻繁に返ろ、いいな、それと俺は捕まったら監禁されるだろう、困ったら我妻を頼るんだ、いいな』


このメモと一緒にコインロッカーの場所が書いてあるメモとキーが入っていた。


衝撃の愛の告白だった。


(山城さん、だから、我妻さんの名前を口にした時、首を絞めたの?嫉妬したってこと?)


くるみは山城の言いつけを守り、ホテルを移動したのだった。

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