第78話
「ああ、俺も出そうだ」
山城は出る直前に自分自身を引き抜いた。
圭子の背中に白いドロドロしたものを出すため、自分自身をしごいた。
「なんで私の中に出してくれないの」
「お前が妊娠したら、セックス出来なくなるだろう」
山城は圭子を抱きしめて、頭を撫でた。
「裕太郎」
この時も山城はくるみを思い描いていた。
(くるみ、くるみ)
こころの中で叫びながら、圭子を思いっきり抱きしめた。
でも、山城は牢獄から出してはもらえなかった。
「圭子、俺をここから出してくれ」
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