第八章 我妻が動き出す
第68話
その頃山城は監禁されていた。
山城は組長の実の息子ではない。
そして山城組は組長の指示で、全てが動く。
本浜組との合併が水面下で進んでいた。
そのため、圭子のお気に入りの裕太郎は結婚を余儀なくされたのだ。
しかし、逆らう裕太郎は山城組組長の怒りを買った。
裕太郎は監禁されてしまった。
唯一裕太郎の味方は有働だった。
裕太郎から何も連絡が入らない有働は工藤に相談すると、行方がわからないとの返事だった。
(ぜってえ、おかしい、若頭はそんな人じゃねえ)
しかも、くるみも店を辞めて、ホテルを引き払っている。
(若頭、どこにいるんですか)
有働は我妻組に向かった。
その頃、我妻は中々怪我が回復せず、苛立ちを覚えていた。
有働は我妻組の屋敷の前で、うろうろしていた。
我妻組組員に声をかけられ、有働は我妻組若頭に取り次いでもらいたい旨を伝えた。
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