第66話

『くるみ、俺はこれから先も、お前と一緒に暮らしたい、そのために、マンションを引っ越す、しばらくの間、待っててくれ、ホテルの宿泊代は俺が払っておく、そこから店に行ってくれ、必ず迎えに行く』


「山城さん」


それからしばらくして、ホテルに本浜組お嬢と若頭の瑛二がやってきた。


「やっぱり、あなただったのね、裕太郎さんを誘惑した女は」


「誘惑なんてしていません」


「じゃあ、どうして、裕太郎さんは姿をくらましたの?」


(山城さんは早速行動に移したんだ)


「マンションを引っ越して、行方がわからないのよ」


本浜圭子はくるみの喉元にナイフを充てた。


「お嬢、相手は堅気です、刃物を納めてください」


そう言ってくるみを危険から守ってくれたのは、瑛二だった。

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