第七章 山城の結婚 本浜圭子

第61話

くるみはため息をついた。


(早く、アパート探さなくちゃ)


そこへ、ホテルのドアがノックされた。


(誰?)


「どなたですか」


「くるみ、俺だけど、このままでいいから話を聞いてくれないか」


(嘘、山城さん、どうして)


「この間はすまなかった、俺、どうかしてた」


くるみはドアのチェーンを外して、山城を招き入れた。


「山城さん、入ってください」


「いいのか」


くるみは頷いた。

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