第51話

『はい、いまだに眠り続けています』


『そうですか』


『若頭の命を守って頂き、ありがとうございました』


『いいえ、怪我をさせてしまい、申し訳ありませんでした、もう私に関わらないようにお伝えください』


『承知致しました』


そして、スマホは切れた。


くるみはホテルのロビーに飲み物を買うため、ドアを開けた。


そこには壁に座り込んでいる山城の姿があった。


「山城さん、こんなところで何をしているのですか」


くるみに揺り起こされて、山城は気がついた。


「くるみ、いつの間にか眠っていたんだな」


「部屋に入ってください」


くるみは山城を部屋に入るように促した。

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