第47話

「若頭、無事で本当に良かったです、ひとみさんに感謝ですね」


この時、結城は山城の行動に違和感を覚えた。


(血も涙もない山城が、まさか若頭を生きたまま返してくれるなんて)


くるみは帰る支度を始めた。


そこへ山城がやってきた。


「くるみ、一緒に帰ろう」


くるみは黙ったまま、何も答えなかった。


その様子に、山城はくるみが怒っているのだと感じた。


「くるみ、何をそんなに怒っているんだ」


「あんなに殴らなくても、あの方はお客様です、意識なかったんですよ」


「あいつは、うちと敵対する我妻組の若頭だ、そいつがお前を連れて行こうとしたんだ、命があっただけでも感謝してほしいくらいだ」

「私は山城さんに意見を言える立場ではありまでんが、極道の世界のことは理解出来ません、人を傷つけることはやってはいけないと思います」

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