第36話

「そう言うことか、だから、俺のことを信じられないんだろう」


「それと、山城組に借金しています」


「あんのやろう、許せねえ」


我妻はキャバクラに向かった。


「あら、くるみちゃんなら辞めたわよ」


「辞めた?」


「くるみちゃんは辞めさせるって、山城さんから電話があったのよ、聞いてなかったの」


我妻はキャバクラを飛び出し、ひとみのアパートへ急いだ。


アパートはもぬけの殻で、大家さんが応対してくれた。


「榊さんは引っ越したよ、なんか柄の悪い連中が、荷物を運び出して、確か山城って言う人が、挨拶に来たな」


「ひとみ、いや、榊さんは一緒でしたか」

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