第26話

「どうぞ」


山城さんの前にグラスを置いた。


山城さんは一気にお酒を飲み干した。


「くるみ、俺の女にならないか」


「えっ」


山城さんは私の手を握り、キスを落とした。


そして、腰をぐっと引き寄せ、耳元でこう囁いた。


「お前を抱きたい」


私はこの場をどう切り抜けようかと、必死に考えていた。


そこに我妻さんがやってきた。


山城さんと密着している私を見つけて、ツカツカと近づいてきた。


「珍しいお客さんがいると思ったら、山城裕太郎、くるみから離れろ」

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