第24話

俺は車から降りて、ひとみを追いかけた。


しかし、アパートのドアは閉まり、俺の呼びかけにドアが開くことはなかった。


「若頭、車に戻ってください、ここは見通しが良すぎて、ヤバいっすよ」


俺に注意を促したのは、テツだった。


俺は仕方なく車に戻った。


最近、抗争を繰り返している奴らに命を狙われている現状に、我妻組は神経を尖らせているからだ。


アパートに入り、鍵をかけて、私はうずくまった。


私は元彼に騙されて借金を背負わされてから、男性の言うことを信じられない。


返しても、返しても、一向に減る気配のない借金。


取り立てにやってくるのは血も涙もない極道、山城組だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る