第16話

我妻さんは、私の作ったお酒を一気に飲み干した。


すると「ママ、くるみちゃんと二人にしてくれるかな」そう言って、周りを席から遠ざけた。


「あら、お気に召したのかしら、ごゆっくりどうぞ」


あっという間に二人になった。


「お酒作りましょうか」


「酒はもういい」


我妻さんは私をじっと見つめた。


「なんで、キャバクラで働いてるんだ」


我妻さんは私に聞いた。


「お金がいるんです」


私は正直に答えた。


「いくら必要なんだ」

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