第14話
「くるみちゃん、我妻力也さんがいらっしゃったわ、紹介しておくわね」
席に案内されて、目の前に座っていたのは、別れ際、私にキスをした我妻力也さんだった。
(うそ)
私は狼狽えた。
ドレスの裾を踏んづけて、バランスを崩し、我妻さんの胸に倒れ込んだ。
「おっと、大丈夫か」
私を咄嗟に支えてくれて、顔を覗き込まれた。
「ごめんなさい」
私は咄嗟に離れようとした。
すると、私の腰をぐっと引き寄せ、我妻さんの隣に座らせられた。
我妻さんは長い足を持て余しているように、足を組んだ。
「酒、作ってくれよ」
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