第二章 若頭我妻とキャバ嬢くるみ

第13話

アパートについた私は急いで支度を始めた。


別人になり、キャバクラへ向かった。


「すみません、遅くなりました」


「あら、珍しいわね、くるみちゃんが遅刻なんて」


息を切らして入ってきた私に声をかけたのは、このキャバクラのママだった。


着物姿の日本人離れしたスタイルに、ちょっと冷たい表情がマッチした美人ママさんだ。


でも、面倒見の良い頼れるママさんだ。


「安心して、ここは我妻組管轄のキャバクラよ、若頭の力也さんはとても素敵な男性なの、ガンガン働いて、さっさと借金返しちゃいなさい」


でも、一度もキャバクラに来たことがなくて、私は顔を知らなかった。


(婚活パーティーで私にキスした、我妻コーポレーション社長、我妻力也さんとは

別人なのかな)


この日、私は驚きを隠せない事態に遭遇した。

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