第35話

「やめてください、この店と私のことは関係ないんですから」


「あんたが早く答えないからよ、どうなの?答えは決まってるでしょ」


「わかりました、すぐにこの店を辞めて引っ越しします」


麗美は口角を上げてニヤッと笑った。


「そうよ、初めからそう言えば、お店の商品も棚から落ちなくて済んだのにね」


葉月は麗美を睨んだ。


「何、その顔、あんた、山辺と言う男に散々抱かれてるんだってね、それで雅也さんに愛されようとしてるなんて図々しいのよ」


「お嬢、その辺でやめておきましょう」


すぐ後ろに控えていたのは、本山麗美の護衛の若頭城之内理玖だった。


葉月は店長に事情を話した。


「申し訳ありません」


「守ってあげられなくてごめんな」


店長は葉月に対して頭をさげた。


「何言ってるんですか、ご迷惑をかけたのは私ですから」


麗美はチンピラどもと一緒に屋敷に帰った。


葉月はアパートへ戻り、荷物の整理を始めた。


その時、葉月のアパートのインターホンが鳴った。


誰だろう?

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