第25話

冨樫は葉月に声をかけた。


「元気か、困っていることはないか」


「ありがとうございます、大丈夫です、それより、ヤスシさんが見張ってますよ」


「えっ」


冨樫は二人して葉月にバレバレなことにおかしくなって、ふふっと笑った。


それから、冨樫は毎日のようにコンビニに足を運んだ。


「飯食ってるか、高いところに登るなよ、危ないからな」


まるで小さい子供のように冨樫は葉月を心配して、声をかけた。


冨樫さん、親みたいなんだから……


これじゃ、冨樫さんから離れた意味ないな。


そう思いながらも、毎日冨樫に会える喜びを感じていた葉月だった。


そんなある日、冨樫は冨樫組傘下の本山組のお嬢との見合いの話が持ち上がった。


冨樫は断りを入れたのだが、組長の顔を立てるため、会うだけ会うことになった。


本山組お嬢、本山麗美。


いつものように冨樫はコンビニにやってきた。


その姿を見つけて、麗美が冨樫に声をかけた。


「雅也さん、こんなところでお会い出来て嬉しい」


麗美は冨樫を偉く気に入ったのだ。

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