第21話

「そんな顔で俺を見るな、お前を監禁したくなる」


葉月は目を逸らせた。


俺はこの夜は別の部屋で眠った。


葉月を抱きしめていると、また無理矢理抱いてしまいそうになる。


次の日の朝、葉月は荷物をまとめていた。


冨樫は何も言わずに黙っていた。


葉月、お前を自由にしてやる、でも俺はお前を諦められない。


冨樫さん、私は冨樫さんが好き、あなたの側にずっといたい、そしてあなたと一つになりたい、でも私はあなたに相応しくない女です。


だから……


葉月は荷物を持ってドアに向かった。


インターホンが鳴って、ヤスシが入ってきた。


「おはようございます」


ヤスシは葉月の様子にすぐに状況を把握した。


「葉月さん、どこへ行くんですか」


「ヤスシさん、いろいろありがとうございました、私は冨樫さんには相応しくない女です、ご迷惑ばかりおかけしてすみませんでした」


「何を言ってるんですか」


葉月はドアノブに手をかけた。

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