第四章 葉月の真実の気持ち
第20話
まもなく、冨樫はマンションに戻ってきた。
葉月は富樫に駆け寄り、抱きついた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
冨樫も葉月をギュッと抱きしめた。
「葉月、大丈夫か、怪我はないか、気分が悪いことはないか」
「大丈夫です、冨樫さんは、大丈夫ですか」
「俺はちょっと元気がない」
「えっ」
「一晩葉月の顔を見られなかったからな」
「冨樫さん」
「俺は、葉月がいないと生きていけない、葉月を失いたくないんだ、
どこへも行くな、俺の側にずっといろ」
冨樫は葉月の至る所にキスをした。
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