第11話

当たり前だけど、肩に桜の刺青があった。


極道の人だもんね。


なんで冨樫さんは私にキスしたの?


私が泣いていたから?


極道の人なんだから、たくさん女の人がいるんだろうな、きっと。


そこへ冨樫がシャワールームから出てきた。


キッチンの冷蔵庫からミネラルウォーターを出して喉に流し込んだ。


「葉月も飲むか」


「はい」


冨樫はミネラルウォーターを葉月に手渡した。


指が触れて、ミネラルウォーターを落としてしまった。


「あ、ごめんなさい」


急いで拾い上げようとしゃがんだ。


冨樫も同じ体制をとった。


顔が急接近して、葉月の心臓はドキドキと加速していく。


唇が触れて、冨樫は葉月の唇を啄んだ。


シャワールームで抑えていた感情が抑えきれなかった。


冨樫は舌を割り入れて、葉月の口の中をかき回す。

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