第9話
「こないでください」
俺はドアの前で待機していた。
ドアの向こうから葉月の啜り泣く声が聞こえてきた。
「葉月、開けるぞ」
俺は強引にドアを開けた。
葉月はバスタオルにくるまり、脱衣所の隅で丸まっていた。
俺の顔を見るなり、葉月は「ごめんなさい、ごめんなさい」と必死に謝っていた。
「葉月、どうしたんだ」
「もう、やめて、お願い」
俺は混乱している葉月をギュッと抱きしめた。
「何もしない、落ち着け、大丈夫だ」
葉月は身体を震わせて、泣きじゃくっていた。
しばらくして、葉月は落ち着きを見せた。
葉月は俺にギュッとしがみついてきた。
俺は葉月にキスをした。
心臓の鼓動がバクバク音を立てた。
俺は服を脱ぎ、葉月を抱えて、バスタブに浸かった。
「冨樫さん、バスタオル濡れちゃいます」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます