第6話

「日向葉月です」


「俺は冨樫雅也だ、葉月、もっと飯食わねえと、お前の身体折れそうだぞ」


「すみません」


「今、食事の支度するから食っていけ」


「冨樫さんが作るんですか」


「いや、違う、そろそろシェフが到着する頃だ」


「えっ」


その時、インターホンが鳴った。


「あ、きたきた」


「お待たせしました、お嬢さん、大丈夫ですか」


そう言って部屋に入ってきたのはヤスシだった。


「はじめまして、冨樫組のヤスシって言います、若頭の舎弟です、何なりと言ってください」


冨樫組若頭?冨樫さんは極道の世界の人。


どうしよう。


「あのう、私、売られちゃうんですか」


葉月の言葉に雅也とヤスシは顔を見合わせて吹き出した。


葉月はポカンとしてなんで笑われてるのか、全くわからなかった。


「そんなことしねえよ、うちの組は任侠集団だからな、世のため人のためと言うのが、

組長の教えだ」

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