第5話

俺は女が寝ているベッドで、うたた寝をしてしまった。


女は目が覚めたらしく、起き上がって、俺にタオルケットをかけてくれた。


俺は目が覚めた。


顔を上げると、目の前に女の顔があった。


「大丈夫ですか」


「それはこっちのセリフ」


「私は熱も下がったみたいで、大丈夫です、看病して下さったんですね、

ありがとうございました」


女は頭を深々と下げた。


「なんか食べた方がいいんだが、食べられそうか」


「いえ、私は大丈夫です、もう失礼します、このお礼は必ず」


そう言ってその女はベッドから立ち上がった。


当然のごとく、ふらついて倒れそうになった。


俺は女を支えた。


「いきなり立ち上がったら危ねえだろう」


「すみません」


その女の身体は華奢で、今にも折れそうな身体をしていた。


「名前は何て言うんだ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る