第142話

「はい」


由梨は満面の笑みを見せた。


部屋に入ると、健吾は由梨を抱きしめた。


「由梨、キスしたい」


その時、由梨から健吾の唇にキスをした。


そして、一晩中愛を確かめ合った。


白々と夜が明けた。


すやすやと眠っている由梨の頬を撫でた。


(お前は昨夜の抱擁を覚えているのだろうか)


その時、由梨が目を覚ました。


「由梨、おはよう」


「おはようございます、健吾さん」


「由梨、俺のこと覚えているのか」


由梨はキョトンとした表情を見せた。


「昨夜のことは覚えているか」


「はい、健吾さんはいっぱい私を愛してくれました」


そう言ってまっかに頬を染めた。


健吾の頬を涙が伝わった。

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