第137話

「おはよう、由梨、よく眠れたか」


「雑誌の方ですよね」


「ああ」


「私、ずっと会いたく」


「由梨、そこに座って、コーヒー飲むか」


健吾はクロワッサンとコーヒーを差し出した。


「いただきます」


一口、クロワッサンを食べる。


(何で私、西園寺さんのマンションにいるんだろう)


「由梨、今日は俺は仕事に出かける、裕也にきてもらうから、心配するな」


「裕也さんって誰ですか」


何回も繰り返されるやりとりに、健吾は嫌気が差していた。


仕方ないかもしれない。


由梨は何で健吾が機嫌が悪いのか分からなかった。


でも、自然と言葉少なになって行った。


食事を終えると、由梨は食器を片付けて、部屋に引きこもった。


健吾が出かける時、声をかけたが返事をしなかった。


そのうち、裕也がマンションにやってきた。

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