第136話

亮二は怒りが湧いてきた。


(あんなに素直だった美希、どうしたと言うんだ、全てあの極道のせいだ)


亮二は美希を取り戻そうと計画を練った。


そんなことになっているとは思いもしない由梨は、健吾と一緒にいることに喜びを感じていた。


「由梨、買い物に行こう」


「本当ですか」


由梨はにっこり微笑んだ。


裕也の運転で出かけることにした。


「由梨さんが戻ってくれて、組長、良かったですね」


「そうだな」


健吾は手放しで喜べなかった。


明日の朝、また、由梨の記憶がリセットされる。


健吾はどうしたらいいか悩んでいた。


マンションに戻り、一緒に食事をした。


何も変わりない由梨の姿に、健吾は気持ちが落ち着いていた。


このまま記憶のリセットがないことを祈った。


しかし、健吾の願いは叶わなかった。


「おはようございます」

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