第126話
「美希は大丈夫でしょうか、病を患っていますので……」
「美希さんではなく、由梨です、西園寺由梨が彼女の本当の名前です、
俺の妻です」
「失礼ですがあなたと由梨さんの婚姻関係は白紙の状態でしょう、三年間、
消息不明の場合、婚姻関係は認められません、美希と私は五年間一緒に生活しておりました、
ですから事実婚が認められて、自分と美希が夫婦同然です、これから美希を迎えに伺います」
「ちょっと待ってく」
電話は切れた。
確かに相手の言っていることは理にかなってる。
健吾は組のため、後藤組孫娘と婚姻関係を結んだ。
現在は離婚を考えているが、由梨とは法律上全くの赤の他人だ。
五年ぶりに健吾の目の前に現れて、ほかの男と生活を共にしている現状に、
冷静に対応出来るはずもない。
「由梨、この先、俺と暮らそう」
「でも……」
健吾は由梨の頬を両手で挟み、そっとキスをした。
由梨はそのキスを受け止めた。
(なんか、この感じ、どこかで、すごく、いい)
健吾は堪らず、由梨の胸に触れた。
由梨はビクッと身体が震えた。
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