第125話

「ああ、俺たちは夫婦だった」


由梨は驚きの表情を見せた。


「なあ、この道重亮二って男はどんな奴だ」


「わかりません」


「そうか、病気は進行していないのか」


「わかりません」


「そうだよな」


健吾はこの道重亮二に会って、五年間を聞き出さなければと考えていた。


「由梨、明日道重亮二に一緒に会いに行こう、だから、今日は俺のマンションに泊まってくれ」


「でも、何も言わずに出てきてしまって、どうしましょう」


「俺が連絡しておく、それならいいだろう」


「はい」


健吾は道重亮二に電話をかけた。


三回呼び出し音が鳴り「道重です」と低い声の男性が出た。


「はじめまして、西園寺健吾と申します、今、由梨と一緒なんですが、

色々お聞きしたいので、明日、由梨と一緒にそちらに向かいます」


「西園寺健吾さん、あの雑誌の極道の方ですよね」


「はい、西園寺組を束ねております」

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