第106話
由梨は真っ赤な顔で恥ずかしがった。
「由梨、キスしてえ」
「えっ?」
「ダメか?」
健吾はいつもなら、いきなり奪うが、今の由梨には拒否される可能性が高い。
自分の名前を覚えてくれていることが奇跡なのに、自分に対する気持ちまで、同じとは限らない。
「ダメですよ、奥様が悲しみます」
「だから、俺の奥さんは由梨だって」
由梨はキョトンとした表情を見せた。
「ごめんなさい、わかりません」
「そうか、そうだよな、気にするな、俺のそばにずっといてくれ」
「はい」
健吾はそれだけで十分だった。
(これ以上望んだらバチが当たるよな)
健吾は回復に向かっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます