第89話
「健吾さん、それじゃあ、私が病人みたいですよ」
「そうだな、俺、早く退院するからな、お前が心配で堪らねえ」
由梨は恥ずかしそうに俯いた。
「そういえば、私が毎日お見舞いに来て、健吾さんの奥様は大丈夫ですか」
「えっ?」
「奥様、ヤキモチ妬いてないですか、怒ってるんじゃないですか」
(俺と婚姻届出したことも覚えていないのか)
「由梨は俺の奥さんだよ」
由梨は目をパチクリして驚いた表情を見せた。
「そうなんですか」
このことも、次の日同じ会話を交わした。
健吾はだいぶ回復に向かっていた。
いつものように由梨が病室にくると、ベッドに座っている健吾の姿にびっくりした様子を見せた。
「健吾さん」
「ベッドに起き上がれるようになったんだ」
「よかったですね」
健吾は由梨を手招きした。
「何ですか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます