第66話
「由梨さんが忘れたみたいなんです」
健吾は差し出されたカードキーを受け取った。
「実は何回かあって、今までは由梨さんに渡していたんですが、こうも続くと
ちょっと……それで西園寺さんにお伝えしておこうと思って」
「お気遣い頂きありがとうございます」
健吾は丁寧に頭を下げた。
このマンションは西園寺組組長がオーナーで、つまり、健吾の父親だ。
コンシェルジュは古くからの父親の知り合いだった。
色々なことで世話になっている。
由梨のこともちゃんと紹介しておいた。
将来の伴侶だと……
健吾はまさかと思ったが、思い当たる節はたくさんある。
(一度、病院へ連れて行くか)
健吾は由梨を連れて病院へ向かった。
「健吾さん、どこか具合でも悪いんですか」
「ああ、俺じゃなく、由梨」
「私ですか」
由梨は、一年前の病気のことだと思った。
(でも、なんで健吾さんは知ってるんだろう)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます