第57話
健吾との抱擁を思い出すと、身体が熱って、今すぐにでも抱きしめてほしいと思ってしまう。
(本当は健吾さんのそばを離れたくない、でも……)
由梨は不安を抱えていた。
一年前、体調を崩して、入院したことがあった。
貧血だと診断されたが、それだけではないように思えた。
借金の返済の人生。
誰とも関わりを持たずに生きていこうと決めていたのに……
健吾はまさかの運命の相手だったなんて、この時は知る術はなかった。
不動産屋をあたるも、無職ではどこも貸してはくれない。
(当たり前だよね、まずは働くところを探さなくちゃ)
でもどう言うわけか、首を縦に振ってくれるところはなかった。
実は裏で、東條が手を回していたのだ。
(由梨、俺を振ったことを後悔するがいい)
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