第50話

「若頭、由梨さんは……」


「俺一人だよ」


「えっ、なんでですか」


裕也は不思議そうな表情を見せた。


「お前なあ、俺が一人で出てきたんだから、察しろよ」


「へい、これからどちらに」


「決まってんだろ、由梨を迎えにいく、東條のマンションに迎え」


裕也はニッコリ微笑んで車を発進させた。


その頃、朝帰りをした由梨を、東條は待ち構えていた。


「朝帰りとはどう言うつもりだ」


「申し訳ありません」


由梨は東條に頭を下げた。


「極道の男と一晩中お楽しみか」


東條は怒りが頂点に達して、由梨を平手打ちした。


「僕がどんな思いで夜を過ごしたと思ってるんだ、さあ、こっちにこい」


由梨は東條に腕を掴まれ、部屋に連れて行かれた。


「さあ、極道の男にしたみたいに、俺を欲情させてみろ」


東條はズボンを脱ぎ、上半身裸になってベッドに横になった。

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