第27話

「夕凪様を囲うとは、結婚することでもなく、この手当ては夕凪様の借金を肩代わりのためでもありません、つまり西園寺健吾のセックスの相手をする代償です」


由梨は驚きの表情を見せた。


「西園寺を愛する心はいりません、身体だけの契約です、いかがでしょうか、

夕凪様にとって、悪くないお話かと存じます」


由梨は考えていた。


健吾からのプロポーズは絶対に受けられない、自分は東條優馬のフィアンセだから。


そして借金を支払うために東條ホールディングスを辞めるわけにもいかない。


でも健吾との時間はとても心地よい。


あんな酷いこと言ってもう、終わりかと思っていたけど、健吾からの申し出を受ければ、


また会える。


しかも健吾からの毎月の手当ては今の自分にとってありがたい。


(西園寺さんとのセックスなんて、はじめてだからどうしていいかわからないよ)


「あのう、私、男性とのお付き合いは経験なくて、だから身体の関係も経験ないんです」


「大丈夫ですよ、若頭に身を委ねて、感じてください」


「わかりました」


「一つ条件があります、若頭以外の男性と関係は持たないこと、その場合、


契約破棄になります、たとえフィアンセの間柄だとしても、よろしいですね」


由梨は頷いた。

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