第21話
「ではすぐにそちらに向かいます、GPSを追いますのでそのままスマホは切らないでください」
「俺のスマホは逃げる途中で落としたんだ」
「ではこれはどなたのスマホですか」
答えようとした時、悲鳴を上げた。
「痛え」
女は自分のスカートを破って、俺の血がドクドク出ている部分に縛り付けた。
「止血しないと死んじゃいますよ」
スマホからは渡辺の叫ぶ声が聞こえていた。
女はスマホを握って、答えた。
「ここは新宿三丁目の雑居ビルの裏通りです、脇腹から血が出ていてかなり重症です、今止血しましたが、救急車呼んだ方がよろしいんではないでしょうか」
「よろしくお願いします」
俺は意識が朦朧としてきた。
目がかすみ、身体に力が入らない。
口が乾いて水が欲しかった。
「水をくれ」
その女はバッグからペットボトルの水を取り出すと、俺に飲ませてくれた。
でもなかなか喉を通っていかない。
その女は自分の口に水を含み、俺に口移しで飲ませてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます