第4話

裕也は由梨の住んでいるアパートに向かった。


「若頭、着きました」


健吾は二階建ての古いアパートに驚いた。


「おい、ここか?」


「はい、夕凪由梨はマンションではなく、このアパートに住んでいます」


「東條ホールディングスに勤務しているんだよな、しかも社長の婚約者なんだよな」


「はい」


「普通、自分のフィアンセをこんなボロアパートに住まわせないだろう、俺なら自分のマンションに住まわせる」


「そうですよね」


健吾は裕也が何かを隠していると察した。


「おい、どう言うことか説明しろ」


裕也は仕方なく説明を始めた。


「実は彼女は借金があります」


「借金?」


「はい」


「金遣いが悪いのか」


「いいえ、父親の会社が倒産して、億と言う負債の返済を彼女がしているみたいです」


「男は知らないのか」

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