第2話

「失礼を承知で申し上げます、東條ホールディングス社長夫人と西園寺組若頭の女では、


どちらを選ぶとお思いですか」


「そんなの、俺を選ぶに決まってるだろう」


「若頭、女はいつでも安定を求めます、若い女なら、刺激を優先するかもしれませんが、


彼女は四十二歳です」


「そうなのか」


「はい」


健吾はますます気に入った。


四十二歳であれだけの可愛らしさがあり、優しさもある。


逆にその年齢だから、色気があるのかもしれない。


感じてる顔、喘ぎ声、のけぞる身体、想像するだけで興奮する。


他の男から奪いたいと独占欲が健吾を本気にさせた。


健吾はすぐに行動に移した。


「東條ホールディングス本社ビル前に車をつけろ」


「かしこまりました」


健吾はこうと決めたら裕也の言葉など聞かない。


仕方なく本社ビルに向かった。


本社ビル前に車をつけてから、時間は悪戯のように過ぎた。

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