第56話

すぐに告白したかったが、親父に止められ、社員を目指した。


しかし社員になったが、美希を目の前にしておあずけ状態になり、社長を目指し、勉強のためアメリカへ渡米。


結局美希の存在を知ってからなんと三年の月日が流れたのである。


やっとの思いで美希と結婚出来たのに、美希の心は俺にはなかったなんてショックは計り知れない。


でも美希はいつも気遣い優しい言葉をかけてくれる。


俺はその言葉に甘えていていいのだろうか。


最近は自分の仕事部屋の椅子で寝ている。


美希とベッドを共にしたら、美希を抱きたくなる。


美希とキスもしていない。


どうしたらいいんだ、この溢れんばかりの美希に対する気持ちを……






俺は美希と商店街に足を運んで、初めて気付かされた。


親父がなぜこの場所のビル建築を先延ばしにしていたのか。


この商店街を守りたかったからなんだと、商店街の人々がこの場所で今まで通り商売が出来るように、何か良い手立てはないか考えていたんだと思った。

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