第48話
私は大きく首を横に振った、彼は私の頬を両手で
挟み、キスをした、優しいキスだった。元彼のことはこれで終わったかに思えた。
しかし、劉は私を待ち伏せて、詰め寄ってきた。
「美希を忘れられない、俺にもう一度チャンスをくれないか」
「ごめんなさい、私離婚する気持ちないから」
そう言ってその場から離れようとすると、いきなり腕をつかまれて引き寄せられた。
そこに彼が割って入り込み、私を自分の方へ引き寄せた。
彼は劉の胸ぐらをつかみ「人の妻に手を出すんじゃねえ」と殴りかかりそうになった。
「わかった、わかったよ、あんたが鏑木建設社長か、もう手出ししないよ」
「美希、捨てられないようにな」
すると彼は劉に対して一言投げつけた。
「美希は捨てねえし、別れる気もねえ、美希に二度と近づくな」
彼は私の手をつかみその場から離れた。
マンションに着くと、彼は何も言わず黙っていた
「ごめんなさい、今日お仕事はどうされたのですか?」
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