第五章 彼との結婚

第36話

でもまだそこまで、私の心配は消えていないのである。


「美希、仕事続けたかった?」


「いきなりどうしたんですか」


「俺は美希と結婚したかったから、すごく幸せだが、美希はどうなのかなって思って」


今日の彼はいつもと違い、なんか弱気だ、でもまたそれが魅力的に写っている。


「正直不思議です、今、蓮さんの妻でいることが……私のどこを好きになってくれたのか、いまだに信じられません」


「美希は可愛いいし、優しいし、俺の方が年下なのに美希を放っておけない、守ってあげたいって思ってるよ」


「なんか擽ったいです、そう言えば聞きたかったことがあって、社長就任の日が初めてじゃないって言ってましたけど、前に私達会っていますか」


彼は三年前の私達の出会いを話し始めた。


「美希、血液型RHマイナスだよな」


「そうです、だから輸血が必要になると大変なんですよね」


「三年前輸血したの覚えてる?」


彼に言われて記憶を辿って見た、確かに輸血した覚えがある。

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