第14話

望月は親父の病状を心配してくれた。


「親父さん、大丈夫なのか」


「仕事は引退だ」


「そうか、じゃあ、お前が社長か」


「そうだな、これから忙しくなると思うから、今日は報告の為に呼んだ」


「お前、かなり印象が変わったな、まるで別人だぞ」


「そうか?」


この時望月が思ったくらいだから、相当蓮の印象は変わっていた。


「いよいよ、彼女に告白か」


「ああ、三年だぞ、もう気持ちが溢れてコントロール出来ないかもしれない」





私は三十八歳を迎えていた。


大学卒業後入社した会社で十六年間経理部にて働いている。


彼氏なし、結婚する予定もない。


同期入社の仲間は、結婚して現在子育て真っ最中である。


そんな私の前に現れたのが、社長に就任したイケメン御曹司鏑木蓮二十六歳。


就任挨拶の日、会社内を見て回りたいと各フロアにやってきた。経理部のフロアに彼が来ると、女性社員は独身の彼をゲットしようと、目を輝かせた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る