第13話

いつも沈着冷静な東條が珍しく平常心を失っていた。


「わかった、すぐ戻る」


俺はアメリカでの事を全て片付けて、日本に戻ってきた。


まずは親父の病院へ向かった。


「親父、大丈夫か」


「おお、蓮、すまんな迷惑かけて」


親父の口から出たと思えないような言葉だった。


「大丈夫だよ、それよりゆっくり休め、会社のことは俺が引き受ける」


「そうか、頼もしいなあ」


「当たり前だろ、親父の息子だからな」


そして病院を後にした。


会社に戻り、引き継ぎ業務を行った。


俺が鏑木建設会社の社長に就任した。


東條が俺の秘書になった。


「東條、よろしく頼む」


「かしこまりました、まずは全社員に向けて社長就任の挨拶になります、段取りを組みますので、蓮様は引越しの片付けをしてください」


「わかった、今晩はプライベートの時間に使っても問題ないな」


「はい」



俺は早速望月に連絡した。


「おお、蓮、いつ戻ったんだ」


「今しがた戻った、親父が倒れて呼び戻された」

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