第11話
「お館様、どちらに行かれるのですか」
信長にそう言葉をかけたのは秀吉だった。
「信玄の元にマミを迎えに行く」
「失礼ながら、マミは自分の意志で武田信玄の元に向かったのであれば、迎えに行く必要はありませぬ」
「このまま、信玄の女になっても構わぬと言うのか」
「マミの意志なら、迎えに行っても帰ってきません」
「力づくで連れ帰る」
信長は馬を走らせた。
「お館様、お待ちください」
しかし、秀吉の言葉は信長には届かなかった。
その頃、信玄の元で、甘い言葉を囁かれたマミは蕩けそうな表情をして、信玄の傍らに寄り添っていた。
「マミ、お前は美しい、お前を離したくない」
「信玄様」
「ずっと、私の側で使えるのだ、良いな」
「はい」
マミはぐっと腰を引き寄せられた。
「ああ、信玄様」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます