第15話
「なあ、閻魔様」
「なんだ」
「何してるの?」
綾瀬幸人は、目の前で鬼の速さで書類を片付けて行く御人に問いかけた。
「何って、書類整理だが」
至極当然と言う表情で言い切るその人を前に「あ、うん」と押し黙る。
幸人は困惑していた。
この状況はなんだ。
どうやら自分は地獄に来たらしい、と言うのは流れで分かった。
目の前にいるのが、閻魔大王だということも理解した。
であるならば、閻魔大王が向かに座って、こちらを見ることなく、鬼のような速さで書類を片付けて行っているこの状況は、はてさて一体何なのか。
大王の傍に控える眼鏡の男は、山のように積み重なった書類を抱えては部屋を出入りし、幸人の傍で幸人を監視しているオレンジ髪の男は、退屈そうに欠伸をしている。
実にカオスな状況だ。
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