命の代償

私は慌てた。




おかえりなさい




と言おうとしたら






声が全く出ないのだ。





母も不思議そうな顔をした。





喉を見ても




風邪でもない。







もしかして、、、私の脳裏に過ったのは頭が破裂した音。








あれは脳の血管とかではなく精神が耐えかねて爆発してしまった音。






そして今は声以外は爽快なのだ。

私はサーッと血の気が引いた。










自分自身の精神が壊れ、倒れ、それを蘇生させる為の代償に声を失った。







そう考えるのが自然なのだ。







私は慌ててメモを取り出した。







[声が出ない]






母は内心慌てていたと思う。







でも、一言。







「そうか」






と言ってくれた。





この日は生憎の土曜日。






さあ、これからどうしよう。

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私の声が消えた時 しょう @murasaki385

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