私の声が消えた時

しょう

9月28日

声。




それは人に何かを伝える為の大事な手段。






時には人を傷つけ、時には癒やし。








生きていく上で大事なものである。









私の声は幼い時から滑舌が悪く、低いのでコンプレックスがあった。







ちゃんと口を開けて話しなさい。








何百回も聞いた言葉のナイフだ。







そんな私が


一時期声優養成所に通ったことがある。








声優に憧れるというよりも

この声をなんとかしたかった。







そこで血反吐を吐くような頑張りもあり、晴れて私ははっきり話せと言われることが無くなった。








嬉しかったのだ。

見た目にコンプレックスがあろうがメンタルが豆腐であろうが、一生誇りにしていこうと思えた。








そんな矢先のことである。








私は、うつ病を患って寛解の状態だったのだが、爆発した。










何もかもが怖く感じ、家族が鬼に見えて3日寝込んだ。






涙が止まらず、震えながら布団の中に居た。







季節の変わり目のうつだろう。






しかし、大うつだったのだ。






助けて、生きていたくない

飛び降りたい、包丁で刺したら終われる!





地獄のような時間。





どこかで何かが破裂した音と共に意識を失った。








そこから意識を取り戻し

気持ちが楽になった時。








母が帰ってきた。








「おかえりなさい」









と言おうとした








しかしそれは叶わなかった。





私は、声が出なくなっていた。

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