第4話

4


 お昼休みまで、白雪姫はチャットで美しくないと書き込んだ人とやりとりすることにしました。

『ちょっとあなた。わたくしのこと美しくないなんて言いましたわね? しかも、この世で一番? じょうだんでも許しませんわよ!』

 書き込むと、すぐに返事が届きました。

『いや、他人の写真晒して自分世界一とかしょーもなくない?』

 という返事でした。

『なっ! あなた、わたくしの写真がニセモノだと言いたいの? あれは正真正銘わたくしですわよ? ていうか、わたくしは姫よ? お城に住んでるのよ? 口の聞き方に気をつけなさいな』

『はいはいなりすましおつwww』

 スマホを持つ両手を震わせる白雪姫。

「いい加減にしなさいよクソがあああ!!」

 白雪姫は、中庭で思いっきり怒鳴りました。怒鳴りながら、その言葉を書き込みました。

「まあまあ落ち着いて」

 アリスがなだめました。

「こいつ! わたくしを姫と思っていないようですわ。おバカさんねえ?」

 怒りでほくそ笑む白雪姫。なんだか少し怖くなってきたアリス。

『だったら会わせてくださいよw姫って証拠を見せてくださいよw』

 と、返事が来ました。

「いいわよ!! 見たきゃ見せてやりますわよ!!」

 と、怒った白雪姫は、その言葉をそっくりそのまま書き込みました。

「ちょ、白雪!」

 アリスが止めに入ろうとしました。

「い、いいの会っても? 知らない人なんでしょ?」

「かまいませんわ! だって、相手はわたくしと会わないと気がすまないようなのでね。一発ガツンと言わせてやりますわよ。おーほっほっほっ!」

 そのあと、どこで会うか、いつ会うか連絡をしあい、白雪姫は教室へ戻っていきました。

「あらら……」

 アリスはぼう然としていました。してたら、午後の授業の予鈴が鳴りました。急いで教室に向かいました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る