第2話
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国語の時間です。
「では三十ページを読んでくれる人…」
と、担任が言ったと同時に、
「はいはいはい! わたくしが読みますわ」
元気よく白雪姫が手を上げました。
「じ、じゃあ白雪姫さん」
「みなさん、わたくしの美声に聞きホレなくてよ?」
クラス全員、あ然としました。
「な、なんだ? いつもならこんな積極的に挙手しないのに……」
アリスも驚いていました。
続いて算数の時間。
「ではこの問題を…」
と、担任が言ったと同時に、
「はいはいはい! わたくしが解きますわ」
また白雪姫が手を上げました。
「じ、じゃあ白雪姫さん」
「今日からわたくし、インテリお姫様目指しますわ!」
黒板の前に立つと、クラス全員の前で、ウインクしました。クラス全員があ然としました。
「え、ええ? いつもなら寝てるのに……」
アリスも驚いていました。というアリスも算数の時間は寝ていましたが、隣にいる白雪姫が手を上げたので、目が覚めたのです。
音楽の時間。
「では今から一人ずつみんなの前で、歌ってもらいます」
音楽の先生が言うと、クラス全員いやそうな顔をしました。
「はいはいはい! わたくしから歌ってもよろしいでしょうか? ていうかわたくしからじゃなきゃダメ! ねね?」
白雪姫の勢いに圧倒された音楽の先生は、あわてて白雪姫を指名しました。
「わたくしの歌を聞けえ!」
ノリノリの白雪姫に、クラス全員あ然。
「やけにノリノリだなあ。いつもならみんなの前で歌うのなんていやがるのに……」
アリスが呆れていると、
「そこ! なにを呆れてるのよ! わたくしが歌おうとしてますのよ? だまってらっしゃい!」
白雪姫に怒られました。アリスもムッとして、
「わかりましたよ!」
言い返しました。
白雪姫は大きく息を吸いました。
「ぼえええ!! はらほれひれ〜!!」
白雪姫のオンチな歌が、音楽室に響き渡りました。クラス全員と音楽の先生、アリスは耳をふさいでもん絶しました。
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