第22話 1468年 八郎太郎

 応仁2年(1468年)3月17日に北大路烏丸で大内政弘と毛利豊元・小早川煕平が交戦、3月21日には、稲荷山の稲荷社に陣を張って山名側の後方を撹乱・攻撃していた細川方の骨皮道賢が攻撃されて討死し、稲荷社が全焼した。5月2日に細川成之が斯波義廉邸を攻めたり、5月8日に勝元が宗全の陣を、8月1日に勝元の兵が相国寺跡の義就の陣を攻めていたが、戦闘は次第に洛外に移り、山科、鳥羽、嵯峨で両軍が交戦した。


 管領斯波義廉は西軍に属したものの、将軍義政から直ちに解任されなかった。将軍が主宰する御前沙汰なども管領不在のまま行われていた。だが、応仁2年(1468年)、幕府と敵対していた関東の古河公方足利成氏に義廉は和睦を提案し、山名宗全と畠山義就の連名の書状を送った。この理由については、義廉は幕府の関東政策の一環として斯波氏の当主に据えられたため、成氏と幕府の和睦という成果を挙げて家督と管領職の確保を狙ったと推定される。しかし、義政は独断で和睦を図った義廉を許さず、7月10日に義廉を解任して勝元を管領に任命、義廉の家督と3ヶ国守護職も取り上げられ、松王丸に替えられた。書状が出された月は2月から3月と推定され、相国寺の戦いの後に西軍有利の状況で義廉が動いたとされる。


**八郎太郎と山吹の水の伝説**


戦乱の嵐が京都を再び襲う中、田中は妖怪たちとの新たな盟約を結ぶための旅に出た。その道中、彼の耳に入ってきたのは、八郎太郎という妖怪の伝説であった。八郎太郎は、岩魚を食べたことで蛇に変身する力を持つとされ、特に悪路を行く者たちにとっては、恐れられた存在であった。


田中は八郎太郎の神秘的な力を利用して、現在の混乱を打破する手立てを探ろうと決意した。彼は、八郎太郎が住むとされる山へと向かう。途中、風狸けんという妖怪と出会い、彼が八郎太郎を知っているか尋ねた。


「八郎太郎のことなら知っている。しかし、彼は非常に気難しい性格だ。岩魚を食べた後の彼に会うのは簡単ではない。」風狸けんは言った。「しかし、彼の力を借りるには、万病を治すと言われる山吹の水を持って行くと良いだろう。」


田中は風狸けんからのアドバイスを受け、山吹の水を探す旅に出ることにした。水を手に入れた後、田中は八郎太郎が住む山の中腹へと向かう。山の静寂を破り、彼はついに八郎太郎と対峙することになった。


**八郎太郎との対話**


「人間よ、何の用か?」八郎太郎は岩魚を食べながら、不気味な笑みを浮かべた。


田中は深呼吸し、「私は京都の戦乱を終わらせるために、あなたの力を借りたい。悪路王や阿弖流為の影響で人々が苦しんでいる。この混乱を打破するためには、あなたの力が必要です。」


八郎太郎は少し考え込み、やがて笑った。「私の力が欲しいのか。だが、条件がある。お前が私の信頼を得ることができればな。私の力を借りるには、まずその山吹の水を見せてみろ。」


田中は急いで山吹の水を取り出した。「これが山吹の水です。どうか、私に力を与えてください。」


八郎太郎は水を一口飲み、「この水は確かに素晴らしい。しかし、私は力を与える代わりに、私のために戦ってもらう。悪路王を倒し、阿弖流為の埋蔵金を見つける手伝いをしてほしい。彼らは私の領域を侵しているのだ。」


田中は八郎太郎の要求を受け入れた。彼は戦の手伝いをすることで、八郎太郎の力を手に入れる決意を固めた。


**悪路王との戦い**


田中と八郎太郎は、悪路王が潜むと言われる暗い洞窟へ向かう。洞窟の奥深くには、金色の牛が守る財宝が眠っているという噂があった。田中は八郎太郎の力を借りることで、悪路王に立ち向かう決意を固めていた。


洞窟に入ると、悪路王は待ち構えていた。「人間よ、何の用だ?」悪路王は不敵な笑みを浮かべた。


田中は一歩前に出て、「あなたの悪行はもう終わりだ。八郎太郎の力を借りて、あなたを倒すために来た!」


悪路王は高笑いし、「そんな小僧が私に勝てると思うのか?」すると、八郎太郎がその場に現れた。


「私の名を知っているか?八郎太郎だ。お前の悪行はここで終わらせる。」


激しい戦闘が始まった。田中は八郎太郎の力を受け継ぎ、悪路王と激しく戦った。やがて、田中の勇気と八郎太郎の力が結びつき、悪路王は圧倒されて倒れた。


**勝利と新たな道**


戦いが終わり、田中は八郎太郎に感謝した。「あなたの力がなければ、勝つことはできなかった。」


「これからは共に力を合わせ、平和を取り戻す道を歩もう。」八郎太郎は言った。「そして、阿弖流為の埋蔵金を見つけたら、それを人々のために使うのだ。」


田中は頷き、彼の心には新たな希望が芽生えた。京都の戦乱はまだ続くかもしれないが、彼には新しい仲間と力があった。八郎太郎、風狸けん、そして妖怪たちとの絆を深めながら、田中は平和の道を探求していくことを誓った。

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