第70話

18歳の私と14歳の健司君。




間違いが起こるわけない。





「疲れたね」


「……明日戻んなきゃいけないし、早く風呂入って寝よう」




健司くんはベッドに横たわると

ライブのパンフレットを眺め出した。




「先に風呂使うね」



「おー……」


夢中になって見てる。



あの子にとって" blue-black " は誇りで憧れなんだろな。



私の持つ感情と少し違うファン心理……。

ちょっぴり羨ましかった。




自分がいた2012年に、そんなに好きになれるアーティストも音楽もなかったな。





シャワーを浴びて、まだ髪を乾かさないまま、





「いいよー使って」





浴室からでて、ベッドの声をかけると、



「あ…………!?!」






いきなり健司くんに抱きしめられた。

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